平成19年10月のご相談例と当事務所のコメント

 
 平成19年10月、当事務所にご相談いただいた方の相談例とその回答を掲載します。もちろん、相談者様を特定するような記述はしておりません。皆様からのご相談と当事務所の回答により、他の同じ悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

 ◎ 平成19年10月の相談者数(依頼者も含む) 41件
 
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 ■10月にあったご相談例・遺言の執行についての相談

  Q.「義理の母が残した遺言によって、私に財産の一部を遺贈するとの自筆証書遺言が出てきました。これを持って実際、金融機関に手続きに行ったところ、『当行の書類に法定相続人全員から署名捺印(実印)をもらった上、印鑑証明書も付けてくれないと手続きには応じられない』との返事をいただきました。相続人が複数いるためせっかく母が遺言を作ってくれたのに、一部の相続人によって手続きができなくなる恐れがあります。どうしたらよいでしょうか?」


 
 ■当事務所の回答

 A.どこの金融機関でもこのような対応を取っています。後に法定相続人からのクレームや勝手に自己の遺留分を侵害したなどの理由をもって、法定相続人から訴訟を提起される金融機関もあるようです。このような理由から、金融機関は銀行実務上、こうした対応を取らざるを得ないのです。しかし、遺贈する遺言の場合、必ず法定相続人から署名捺印をもらわないといけないかというと、そうではありません。不動産の遺贈登記についても、法務局へ登記申請する場合、同じく法定相続人全員から署名捺印をもらうのが原則ですが、遺言の中に遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者お一人の署名捺印で手続きができます。あなたのように、遺言執行者の定めがない遺言が出てきた場合、新たにどなたかを遺言執行者に選任するよう家庭裁判所に執行者選任の申し立てを行い、家裁の審判によって執行者が選任されれば、執行者一人の権限で手続きが可能になります。ですから、まずは遺言執行者を決め、その者に手続きの一切を行ってもらうようにすれば、わざわざ相続人から一筆いただかなくても簡単に手続きができることになります。

 (この方は当職に遺言施行者の就任をご依頼されました。本件は法定相続人が兄弟姉妹であるため、遺留分権の侵害の恐れもなく、円滑に手続きができるものとして受任致しました。) 

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