平成19年5月のご相談例と当事務所のコメント

 
 平成19年5月、当事務所にご相談いただいた方の相談例とその回答を掲載します。もちろん、相談者様を特定するような記述はしておりません。皆様からのご相談と当事務所の回答により、他の同じ悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

 ◎ 平成19年5月の相談者数(依頼者も含む) 54件
 
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 ■ 5月にあったご相談例・相続財産を管理している者が財産の公開に応じない場合の対応について

 Q.「父が亡くなりましたが、私と父が住まいしていた場所が遠方のため、父にどのような相続財産があるのかはっきりとわかりません。父と一緒に住んでいた私の兄妹が現在相続財産を管理しているのですが、法要で相続の話をしたところはっきりとした回答を得られなく、財産を隠しているのではないかと不安です。このようなケースの場合、今後どんなふうに対応していけば揉めずに済むでしょうか?」

 
 ■  当事務所の回答 

 A.相続財産をはっきりと把握している相続人と、まったく把握できない相続人の場合、場合によっては一方に不利に働くこともあります。一方では「これしかない」と申し出てても、他方にとってはその対応方法に不満を感じ、「本当にそれしかないのか?」「財産を隠しているのではないか?」と疑い深くなってしまい、そのことで兄弟間に深い溝が生まれてしまうのです。

 揉めずに対応するなら、まずはよく兄妹間で話し合うことです。遺産分割はすぐにしなければいけないことでもなく、特に預金相続や不動産相続は期限が定められているわけではありません(ただし、預金の場合、その性質が債権であるため、10年間何もしなければ消滅時効にかかる。また、不動産の名義をずっと故人名義にしておくと、後に手続きが煩雑になる恐れがある。)から、焦って行動することが相続を失敗させることもあるのです。基本的に預金や不動産のほか一般の相続手続には、相続人全員分の印鑑証明書や遺産分割協議書が必要ですから、協議なしに単独の相続人が独り占めすることができません。

 預金に関して、万が一、預入先金融機関の不手際で協議が成立する前に単独の相続人に払い戻してしまったならば、銀行に対して訴えを起こせばよいと思いますし、不動産に関しても、相続人単独で自分一人名義にすることはまずできません。

 血のつながりがある兄弟間で争うことは、お亡くなりになった故人を悲しませます。私はよく相談者に「相続で得るものは天から与えられた財産です。あまり欲を出すと取り返しのつかないことになる。欲張らず焦らず公平に、当事者でよく話し合って円満に解決できないのでしょうか?」とお話することがあります。

 どうしても理不尽な対応を取る相続人がいたり、明らかに公平性に欠く相続であれば、そのときは遺産分割調停を申し立てるなどして法的に則った対応を取ればよいと思います。


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