今まで当事務所に寄せられた質問・ご相談のうち、よくある相談例を挙げます。同じ状況でお悩みの方がいれば参考にしてみてください。
Q、 配偶者が亡くなってこれから相続手続きをしようと思っているのですが、亡くなった配偶者が再婚で、前配偶者との間に子がいます。今後どのように手続きを進めていけばよいですか?
A、まず、相続手続きをするには、相続人全員の話し合いによって、どのように遺産分けを行うか決めなければいけませんので、前配偶者との間の子に被相続人が亡くなった事実および相続財産の内訳を通知する必要があります。
もし、まったく付き合いのない相続人に通知しなければならないときは、居場所を探すのも大変ですから、我々のような専門家に居場所を特定してもらう必要があるかと思います。なかなか付き合いのない人に相続のことについて話すことは勇気のいることです。もしそのようなことで話し合いをしなければいけないときは、専門家を中に入れて文書で通知を出してもらったり、弁護士に交渉を依頼するなどの方法を取る必要があるかと思います。このような事例に当てはまる方は、まず当事務所にご相談ください。
Q、主人が亡くなり、主人が生命保険金を自分にかけていたのですが、その保険金は相続財産として、相続人同士で分割しなければいけないのでしょうか?
A、 まず、生命保険金ですが、これは保険契約時の受取人がどのようになっているかによって異なる結果になります。もし、保険金の受取人が指定されていれば、その指定された人が生命保険金を受け取ることができ、遺産分割の必要がなくなります。つまり、この場合、生命保険金は相続財産ではなく、受取人固有の権利になるということです。
次に、受取人が特に指定されていない場合もしくは法定相続人となっていた場合ですが、この場合はその保険金自体、相続財産となりますので、遺産分割の必要があります。つまり、相続人で話し合った上、お金を分割しなければいけません。
保険契約時の契約書や保険証書などで、受取人を調べ、もし受取人がわからなければ、保険会社にその旨問い合わせるしかありません。ご質問のケースでは、保険をご主人様が自分にかけていたといっても、生命保険の場合、受取人を妻や子供にしているケースが多いですので、そのあたりも契約書などで確認してみてください。
Q、 父が亡くなり、相続人は母・自分・弟の3人です。3人で遺産分割の話し合いを持ちたいのですが、母は認知症で意思表示ができません。このような場合、今後どのように遺産分けを行えばよいのですか?
A、 法定相続人の中に、遺産分割ができないほど判断能力や意思能力が劣った人が含まれる場合、その方に成年後見人等を立て、遺産分割を進める必要があります。また、ご相談のケースでは、お母さんの成年後見人にあなたや弟さんがなっても、お母さんとあなたや弟さんが同じ相続人ですので、利益相反になり、別途、特別代理人をつけなければいけません。お母さんの財産を管理してくれる第三者を後見人候補者にしたほうがよいと思います。なお、成年後見の申し立ては家庭裁判所に申し立てます。勝手にお母さんの印鑑を持ち出し、書類を作成し、相続手続きを進めることは、私文書偽造になりますので、絶対にしてはなりません。きちんと法的な手続きを踏んで、相続する必要があります。
Q、 相続人が4名いるのですが、そのうち1人が自分の権利ばかり主張して、全然話し合いに応じません。このような場合、すぐに弁護士に依頼して解決を図るようにしたほうがよいですか?
A、 まず、話し合いに応じない相続人が含まれる場合、相手方の相続に関する意向確認を取る必要があるかと思います。いきなり、弁護士に依頼して、遺産分割の調停を行うのではなく、内容証明郵便等でこちらの意向を伝え、相手方の考え方や、出方をみていく必要があるでしょう。専門家に相談して、内容証明を送ってもらう、どうしても話し合いに応じない場合、弁護士に交渉のみ依頼するなど、できるだけ相手の感情を逆なでしないように順序を考えて行動してください。相手にもあなたに言えない何らかの事情を抱えているかもしれません。
Q、 相続放棄をするには、被相続人が亡くなったことを知ったとき(相続が開始されたことを知った時)から起算して、3ヶ月以内に相続放棄の申立てをしなければいけないようですが、被相続人死亡後3年が経過してから、多くの負債がでてきました。こんなときはもう相続放棄ができないのですか?
A、 法律の条文には、「相続が開始されたことを知った時から、3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申立てしなければ、以後、放棄ができない(単純承認したものとみなす)」と解釈できる文言があります。裁判所の判例では、この「3ヶ月」のはじめの起算点を次のように解釈する立場をとっています。
「相続が開始したこと、および自分が相続人となったことを知った時から3ヶ月以内なおかつ、相続財産の全部を認識した時から3ヶ月」
このことから、もしあなたが最近になって被相続人の債務(借金)の内訳を請求書などから把握したとすれば、その債務を認識した時から3ヶ月の猶予が与えられることになります。ただし、これは例外的なことであり、正当な理由がなければ認められません。また、借金を把握する前に財産をすでに相続してしまった方は、単純承認になりますので、相続放棄自体難しくなります。

